ガラスで死亡事故
小3男児の胸に刺さる

 8月20日午後4時ごろ、広島県福山市の私立山手小学校二階渡り廊下で、同校三年男子児童がガラス戸に衝突。割れたガラスの破片が左胸に突き刺さり、同市内の病院に運ばれたが、3時間後に失血死するという痛ましい事故が起こった。福山西署の調べでは、ガラス戸は廊下出入り口の4枚引き戸で、1枚は高さ1.8×幅0.9メートル。上半分がガラスで、下半分がアルミ製パネル。

 この日は保護者が働いている児童を対象に福山市教育委員会が運営する「放課後児童クラブ」が校内を使用しており、死亡した男子児童は掃除中にガラス戸の桟に飛びつこうとしてガラス戸に誤って衝突したらしく、同署は詳しい原因を調べている。

 学校、市教育委員会側は、安全であるべき学校内で児童が亡くなると言う不慮の事故が起こった事に驚くとともに、最悪の結果を招いた事を深刻に受け止めていると伝えられる。

 同市教育委員会に4人いる民間委員の1人で、今年から委員長を務める伊藤泰明氏(福永硝子建材=旭硝子特約店=社長)は「いじめ、不登校などの問題とともに、安心、安全な学校作りの考えから安全対策に一層力を入れるべきと話をしていた矢先に、このような人命につながる事故が起きた事は非常に残念」と話す。今回の事故は割れたガラスの破片で児童が命を落としただけに、事故を重く受け止めると同時に、施設面を含めた事前の安全対策の重要性を強調する。

 伊藤氏は3年前に福山市の教育委員に任命され公的立場で教育問題に取り組んでいるが、一方で専門的な立場から学校施設での安全対策の強化は以前から提案しており、最近は外部侵入者からの安全対策も含めた開口部の防犯性能についても情報を提供しているところだった。

 「行政側では市の教育長も施設課長も開口部の安全対策の重要性はよく認識している。安全ガラスやフィルムのことも分かっている。ただ設備を充実させるための予算の割り振りで安全対策の順番が後回しに立っていることは否めない。今後あらゆる面から具体的な安全対策への配慮は強まるだろうが、後手後手に回っている事が悔やまれ大変残念」と話す。

 伊藤氏の話によると、強化ガラスや飛散防止フィルムなどの学校建物への施工状況は、築後20年以上たつ学校では安全対策が講じられても、予算の関係から全ての窓が安全ガラスになることが少なく、採用されても出入り口付近や、運動場に面しボールなどが当たりそうな高さの1、2階部分だけ施工されることが多いということだ。事故のあった山手小学校も1981年に建てられ築後23年が経過している。

 安心かつ安全であるはずの学校に、設備面でまだまだ多くの危険が潜んでいる実態を業界としても真剣に受け止め、「開口部の安全設計指針」や昨年8月に改定された「小学校施設整備指針」の完全実施に向けた働きかけが一層必要とされる。



情報提供:株式会社 時報社様(ガラス・建装時報より抜粋)

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